『 夏期補習 〜奪われた彼女〜 』
感想レビュー
予想していたよりもエロ一辺倒ではなく、意外なほど青春小説のような雰囲気も持った作品だと感じた。物語は、よくあるNTR(寝取られ)や鬼畜教師×女子学生というジャンルに分類されるものの、単なるエロの消費では終わらず、主人公の心情や変化、彼氏との関係性が丁寧に描かれているのが特徴的だ。一部のレビュアーも「エロというより青春小説」と評しており、性的な描写に過度な期待を持つ層には合わないかもしれないが、それ以上に登場人物の心理の揺れや、結末に至る流れに惹きつけられる。
物語の構成自体は、ベタな部分もある。特に、「担任教師に妊娠回避の為に身体を許し続ける」という筋や、「彼氏が盗み見しながら自慰にふける」という展開は、NTR好きにはおなじみ。しかし本作の場合、その流れの中に奇妙なリアリズムや、“バッドエンドともハッピーエンドとも言えない着地”が用意されていて、後味が妙に残る。原作漫画ファンによると、小説版は原作にはなかったIFルート、つまり別軸のストーリーを楽しめるのが長所だそうで、原作では収拾がつかなくなっていた展開も、小説では独自の締めくくりが用意されていて好ましいという意見も印象的だった。
また、原作者監修ということで漫画数ページや新規イラストも挿入されており、既に原作を読んだファンにも新鮮みのある作り。小説ならではの内面描写や設定の掘り下げも好評で、「手の込んだ小説」という評価も頷ける。
ただ、否定的なレビューも無視できない。例えば、原作にあったエロシーンばかりが印象に残り、小説オリジナル要素には“抜けない”“微妙”といった声や、NTRへの持っていき方が唐突で納得感に欠けるという意見もある。「挿絵はエロいけど小説本編の価値は薄い」とか「アナル描写はいらない」といった感想も。奇妙な終わり方に戸惑いを見せる声も見受けられた。ただ、こうした批判的意見も、ある意味で“よくあるエロ小説”との差異や、本作ならではのユニークさを裏付けているのかもしれない。
まとめると、青春小説としての側面もエロスも、どちらもバランス良く楽しみたい人にとってはおすすめ。特に原作ファンやNTRジャンル好きには“買い”の一作だと感じる。好みが分かれる作品だが、新しい刺激や奇妙な余韻を求めるなら一読の価値は十分ある。
作品情報
あまりにも絶望的な光景だった。 見たくない。こんなものを見続ければ、心が壊れてしまう。 誠一の理性がそう警告しているのに、教師に貫かれる理沙から目を離せられない。「はぁ、もっと奥……もっと奥突いて……」 ここが学校だということを忘れているのか、理沙は甲高い声で鳴いている。「いいのか、そんな大声出して、誰か聞かれとるかもしれんぞ?」「だって……先生の生××ポ凄すぎるから」 あれだけ自分には念入りにゴムを着けさせておいて児島とは妊娠の危険を顧みないのか。「んんんっ!」 二人は同時に静止した。それは避妊具なしの膣内射精を示すサインに他ならない。今、あの男の精子が理沙の子宮にかけられている。
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